那須塩原温泉で楽しむバリエーション豊かな「とて焼き」

那須塩原温泉は東北自動車道、東北新幹線を利用すれば比較的短時間で到着する、栃木の人気温泉地。那須は天皇家の御静養地としても有名ですよね。
塩原温泉は関東地方のアラフォー以上?の世代なら、「ホテルニュー塩原♪」のCMの記憶があるのではないでしょうか。紅葉の美しい昇仙峡や、「森林浴の森100選」に選定されている大沼公園等が観光スポットとして知られていますが、大沼公園はバリアフリーの自然探究路があり、手つかずの大自然の中で、ここでしか珍しい動植物を見ることが出来ますよ。

そんな塩原温泉卿で、近年盛りあがりを見せているB級グルメがあるのを知っていますか?
その名は「とて焼き」。
名前からはどんな食べ物か想像しにくいのですが、ある楽器の形と奏でる音からネーミングされたものなんです。

塩原名物とて焼きとは?

とて焼き

とて焼きの”とて”とは、とて馬車で使われていたラッパの形に似ていること、さらに馬のリズムに合わせたそのラッパの音が「トテー、トテトテトテー」と聴こえたことから名づけられました。
とて馬車は、明治時代の中期から塩原駅と温泉街を結ぶ交通網として活躍していたもので、屋根付きのレトロで可愛らしい馬車!塩原まで汽車で来たお客さんを運んでいたのですが、塩原は夏目漱石をはじめとする文豪にも愛された温泉卿だけに、もしかしたら漱石も利用したのかもしれませんね。
鉄道や車・バスによる交通が普及してからは、塩原の名所巡りをする観光の名物へと姿を変え、とて馬車は現在も現役です。

とて焼きが誕生したのは東日本大震災の後のこと。
その影響で観光客が減少したことを危惧した地元の商工会が、「塩原温泉に人を呼ぶきっかけになるものを」と考え開発されました。

・歩きながら食べられる
・様々な店舗が参加出来る
・地元の人も食べたくなる

この3つの条件をクリアする食べ物を開発するのが条件で、塩原温泉のシンボルであるラッパ型のとて焼きが生み出されたのです。
しかしラッパ型にすると割れてしまう生地も多く、シュー生地やどら焼き生地はNG。
現在のカステラに近いスポンジ生地に落ちつくまでは、相当の試行錯誤があったよう。
材料には那須塩原産の牛乳・卵を使用し、カステラ作りを応用し、モチモチとした弾力のある生地が完成!
とて焼きはスイーツ系だけでなくなんとそばや寿司店まで参加しているのですが、それらのお店は卵や砂糖の分量を調整し、具材に合った生地を使用しています。

バラエティ豊かな”とて焼き”のいろいろ♪

色々なとて焼き

現在塩原の13の名店が参加している”とて焼き”。
どんな味が食べられるのか、いくつか紹介していきますね。

①黒ミツきな粉とて(今井屋製菓・450円)

見た目からテンションの上がりそうな今井屋のとては、黒蜜寒天・粗引きのきな粉にたっぷりの生クリーム。さらにカットされた温泉まんじゅうがトッピングされています。
カステラとどら焼きの中間のような生地で、クレープとも違う和スイーツ!
甘いモノ好きにはたまらない一品であること間違いなし。

②きまぐれなとて(栄太楼・500円)

栄太楼も昭和元年創業の老舗の和菓子屋さん。
こちらのとてはどら焼き生地に近く、マスカルポーネと粒あん・白玉にフルーツ、コーンフレークとまるで和風パフェのよう!
マスカルポーネと粒あんの相性の良さに驚きます。

③フルーツパフェとて(藤屋・500円)

元青果店のくだもの屋カフェの藤やでは、フルーツパフェ風のとてがいただけます。
レアチーズムース・季節のムースにカスタードも加わり、季節のフルーツをトッピング。
クッキーも入っており、食感の違いを楽しめるのも魅力的!

④ベジソフトとて(塩原もの語り館・400円)

塩原の歴史資料館なのですが、野菜の直売や地元食材を使ったレストランも併設。
売店ではソフトクリームの入ったとてを味わえます。
野菜を使ったソフトクリームは珍しく、是非とも食べてみたいですね。

⑤クリコロとて(くいものや花水木・500円)

お肉屋さんの経営するレストランの名物料理・クリームコロッケをレタスとキャベツと共に巻いたクリコロとて。
老若男女に愛されるクリームコロッケだけに、誰からも好かれそうな一品になっています。

⑥角煮とて(銚子屋・600円)

ラーメンや定食を提供するお食事処では、角煮メインのボリュームあるとてを!
スクランブルエッグと共にマヨネーズがかけられ、薄切りの大根とレタスで野菜を取れるのもgood!甘いものが苦手な男性には、ガツンとボリュームのあるこちらをオススメします。

⑦寿司とて(幸楽寿司・880円)

”寿司とて”は一番の変わりダネかもしれませんね。
赤酢を使用した酢飯を海苔の上に敷き、イクラや漬けマグロ・かんぴょうときゅうりを巻いたものを更にとてで巻いてあるんです。
ミスマッチに思えるも、食べてみると違和感がないのは生地に卵が入っているから?!
まさしくここでしか食べられない味になっています♪

塩原温泉でしか食べられない、まさにご当地グルメらしいとて焼き。
大勢で行って全ての味を制覇したくなってしまいますね。

-栃木グルメ