岩槻発!さいたまのご当地ラーメン「豆腐ラーメン」

ラーメンの具材はチャーシューにネギやほうれん草にメンマ、ナルトといった定番のスタイルや、味噌ラーメンのように野菜炒めが乗っているのがお馴染みのスタイルですよね。
大衆的な中華料理店では青椒肉絲だったり、カニ玉をどどんと乗せた天津麺もありますし、より高級なお店ではフカヒレラーメンなる贅沢なラーメンも存在します。

激辛で有名な「蒙古タンメン中本」の看板メニュー・蒙古タンメンは、とろみの強い麻婆豆腐がかけられており、麺と共にこれをライスにかけて食べるのが大人気!中本に限らず上記のような大衆中華量店でも、麻婆豆腐麺がメニューにラインナップされているケースも珍しくはないかもしれません。
豆腐とラーメンは食べてみると意外と違和感もなく、相性も良いものなんですよね。

しかし麻婆豆腐は中華料理なので、同じカテゴリーのラーメンと合わせることは食べる側もそれほど不思議に思いません。
でも”辛くない豆腐”がトッピングされているラーメンとなると、一気に「それってどうなんだとう?」とはてなマークが出現しますよね。
さいたま市にはそんな”豆腐ラーメン”が存在し、なんと県内のご当地グルメグランプリでも優勝を果たしているんです。

豆腐ラーメンの誕生!

豆腐ラーメンが誕生したのは1970年のこと。
場所ははさいたま市岩槻区(当時は岩槻市)。
岩槻城址公園内の「さいたま市民会館いわつき」にある、”レストラン大手門”の賄いの1メニューとして考案されたものです。
豆腐ラーメンを食べた当時の社長はこれを大変気に入って、大手門のメニューとして販売するようになり人気を博すように。その後、岩槻市内の複数の店で豆腐ラーメンがメニューに加わるようになったと言われています。

とはいえ豆腐ラーメンはあくまで岩槻地区でのみに知られた存在でした。
岩槻は大宮から千葉方面に向かう、東武野田線沿いにある地区。
埼玉県は東京のベッドタウンとしての側面が強く、大宮浦和地区は京浜東北線や埼京線を利用し、東京に通勤・通学する人が多くなっています。そのため横への移動は少なく、例えば休日の買い物も東京や大宮・浦和といった埼玉県内でも屈指の大都市で済ませることがほとんど。
同じ市内となっても、わざわざ岩槻に足を運ぶことは多くないでしょう。
埼玉県民にとって岩槻のイメージは、雛人形をはじめとする「人形の街」で、それ以外はあまり思い浮かばなかったのが現実でした。

豆腐ラーメン、埼玉B級ご当地グルメ王に!

でもそんな岩槻を、豆腐ラーメンが有名にしてくれるかも?!
プチブレイクのきっかけは2008年に開催された、第2回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦において、豆腐ラーメンは初出場で初優勝という快挙を遂げました(第4回も優勝)。
優勝の副賞は県内のサークルkサンクスの店舗限定での商品化。
これにより、徐々に豆腐ラーメンの存在が市外にも広まっていくようになったのです。

さらに2011年以降は寿がきや・エースコック・サンヨー食品といった大手が、豆腐ラーメンを商品化し全国発売するといった企画も。
また2016年には日本テレビ系の「秘密のケンミンショー」でご当地ラーメンとして紹介され、さらにその名を知らしめる契機となりました。

豆腐ラーメンってどんな味?

では肝心の豆腐ラーメンはどういった味わいなのでしょうか。
スープは鶏ガラベースの、シンプルであっさりしたもの。
具材として、醤油味の絹豆腐と挽肉あんがたっぷりかけられています。
見た目はやはり麻婆豆腐に似ていますが、辛さはほとんどありません。
というのも、豆腐のあんが辛いものは岩槻の豆腐ラーメンに該当しないとの説もあるようです。
(しかし店舗によってはピリ辛味もあり)

実際に食べてみると豆腐のなめらかさと挽肉の絡みが絶妙で、全体的な印象としては”やさしい”味わいになっています。辛さもないので、子供からお年寄りまで安心して食べられるのも嬉しいポイント!炭水化物過多になってしまいがちなラーメンですが、豆腐のたんぱく質も存分に摂取できるので、ヘルシーで女性にも喜ばれるラーメンでもあります。

豆腐ラーメンが食べられるお店は?

「豆腐ラーメンを食べたい!」
そう思った人は迷わずさいたま市へgo!
残念ながら、さいたま市以外で豆腐ラーメンを提供しているお店はほぼありません。

岩槻で有名な豆腐ラーメンのお店は、なんといっても元祖のレストラン大手門。
一杯600円という値段の安さも魅力です。
そして豆腐ラーメンの考案者・高木氏が独立して開店した「トーフラーメン幸楊」も外せません。
西浦和にある幸楊は県外から足を運ぶ人もいる人気店となっており、かなりボリュームがあると評判。味の評価も高く、奇をてらっただけのラーメンではないことを理解させてくれますよ。

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