佐野ラーメン

栃木ラーメンの雄!青竹で打つ「佐野ラーメン」

関東周辺のご当地ラーメンとして、全国的にもかなり知名度が高まってきた佐野ラーメン。
「佐野と言えば厄除け大師」だった時代は過去のもの、この十数年はラーメンの街としてすっかり定着してきた感があります。

栃木県にある佐野市は、東北自動車道を利用すれば東京から1時間程度で到着する場所にあり、アウトレットモールがあることもあり、日帰りで訪れる人も多くなっています。
個人的な体感でも、20年ほど前に所用で訪れた際は「ラーメンが美味しいらしい」といった程度の認識で、それほど特徴のない地方都市の印象しかありませんでした。
しかしいつの頃からか、休日に栃木方面の温泉地からの帰りに立ち寄ると、佐野の高速出入り口に渋滞が出来るのは当たり前の光景になっていました。
佐野市は比較的早くからラーメンを観光の柱とすべくキャンペーンを行っていましたが、それが上手く実った好例でしょう。

しかし単に自治体が力を入れても、実際にその味に魅力が無ければ人は集まりません。
佐野ラーメンには食べてみたい、食べたら美味しかった!また来たい!と思わせる力が備わっているからこそ、今の人気となっているのでしょう。

佐野ラーメンの特徴は?

佐野ラーメン

人口8万人強に対しラーメン店は100~200軒もある佐野市は、人口対ラーメン店数の比率の高さを、喜多方市とトップ争いをするほど!
広く知られるようになったのは近年ですが、そのルーツは古く大正時代にまで遡ります。
「エビス食堂」という洋食店の中国人の料理人が、青竹で打つ手打ち麺を提供したのがそのはじまりなんだとか。

現在も佐野ラーメンの特徴と言えば、青竹で打つ製法(味を均一にする目的で、製麺所の麺を使用しているお店も少なくありません)。
長い青竹にまたがって、リズム良く前後に延ばしていく麺打ちをすることで、コシはあるけれど滑らかな平打ち麺が完成します。
やや太めの平打ち・縮れ麺は加水率も高く、ちょっとうどんのような感覚もあるほど。
佐野は小麦粉の産地でもあり、小麦の美味しさを堪能できるラーメンが美味しいのも当然なのかもしれないですね。

スープの鶏がらメインのあっさりしたもの。
お店も多く、日々進化するラーメン界だけに豚骨や野菜を使う店も勿論ありますが、佐野ラーメンの基本は喜多方よりもシンプルなように感じます。
これには佐野の水がとても美味しいことも関係しているのでしょう。
日本の名水に選ばれたこともある程で、それを麺やスープに使用しているのですから、シンプルな味付けが一番活きる気がします。
佐野ラーメンは全国チェーン店展開がありませんが、その理由として「佐野の水」を使用しなければ、味の再現ができないことも大きいはずです。

具材もネギ・チャーシュー・メンマ・ナルト・海苔といった、とてもシンプルなもので、見た目から「懐かしさ」や「ほっとする気分」を味わえます。
胃にももたれないので、子どもからお年寄りまで安心して食べられる。
さらに「毎日でも食べられる」点が、佐野ラーメンの最大の特徴とも言えそうです。

現地で食べたい佐野ラーメン

佐野駅

前述のように喜多方と違い全国チェーン店のない佐野ラーメンは、是非現地に行って食べたいラーメンです。
昭和初期の段階で人口5万人に対し150軒ほどのラーメン店があった、長いラーメン文化を持つ街。
その比率やキャリアの長さは札幌や博多を凌ぐほどなんです。
そのためラーメン店のレベルはとても高いので、どのお店で食べても一定以上の満足を得ることが出来るでしょう。
シンプルで歴史のある佐野ラーメン、基本をベースに進化した佐野ラーメン。
自分の好みに合わせ、お店を選択する楽しみの幅は広いはずです。
早くから営業している店もあるので、滞在時間を長く取りハシゴするのもオススメです!

-栃木グルメ