横須賀市・佐島の郷土料理へらへら団子【神奈川グルメ】

神奈川県横須賀市は黒船来航の地。
現在もアメリカ軍の駐屯地であったり、自衛隊関係の施設が多く集まっている”基地の街”のイメージが強いですよね。
しかしそうしたイメージの横須賀は、市内でも東京湾に面している方面に該当するかもしれません。
同じ横須賀市でも相模湾を望むエリアは、漁港やマリーナもありつつ、のどかな農園風景や丘陵が広がる自然豊かな地域になります。

佐島地区もまさにそういった土地であり、上は葉山に、下は三浦市に挟まれています。
漁業と農業も盛んで、月に一度朝市が開かれ地の物を求める観光客も多く訪れているようです。
また2015年にオープンしたMARINE & FARM SAJIMAは、既にデートスポットとして人気も高まっているオーシャンフロントのレストラン。
「EAT LOCALLY」をコンセプトに、佐島をはじめとした湘南築の食材を使用し、佐島でしか味わうことができない料理を提供しています。近隣の関口牧場のミルクを使ったプリンや、ソフトクリームはテイクアウトも可能ですし、海の上のテラスで食べる食事は開放感たっぷり!三浦半島の新たな名所になりそうですね。

佐島名物は”へらへら団子”?!

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そんな佐島地区には、2007年に農林水産省から「農山漁村の郷土料理百選」として選ばれた”へらへら団子”という名物があるんです。

へらへら団子とは何ともユニークなネーミングですが、これは団子の形状が薄く平べったいことから来ています。これに餡を絡めて食べるのですが、へらへらした態度からではなく(当然ですね)その成り立ちはむしろ神聖なもの。
毎年7月に開催される佐島の船祭りにおいて、横須賀市指定の重要無形民族文化財である「佐島御船歌(さじまおふなうた)」、地場の特産物である真鯛と共に奉納されるものなんです。
現在でも毎年の船祭りの時期には各家庭で作られていて、豊漁と無病息災を祈願するのが佐島の習わしになっています。

へらへら団子が郷土料理百選に選ばれた時、神奈川県民はその存在を知らなかった人が多かったと言われています。へらへら団子は選出された時期には一般発売をされておらず、「本当に各家庭で作らるだけのものだった」のがその理由です。
伝統があり、生活に根付いた、本当の意味での郷土料理であるように思えますね。
ただ同じ神奈川県にある座間市でも、農家のおやつとしてへらへら団子が古くから食べられていたようです。

へらへら団子を食べるには?

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前述のようにへらへら団子は家庭で食べられていたもので、お店で食べたり買うものではありませんでした。しかし郷土料理百選に選出された後に、横須賀市の「大そね」という和洋菓子店で2009年から販売を開始しています。日持ちのしないへらへら団子を商品化するには、かなり試行錯誤が必要だったそうですが、その甲斐もあって柔らかな食感を残した美味しいへらへら団子を堪能できるものですよ。
ただ現在では前日までの予約が必要になっているので、確実に入手するなら予約をして店に伺って下さいね。

またへらへら団子の作り方は意外と簡単なので、レシピも載せておきます。
それぞれの家庭が好みの味付けをしているので、甘さや盛りつけも好みで自由でOKです!

【へらへら団子のレシピ】

-材料
小麦粉…100g
白玉粉…50g
水…適量
こし餡…100g

-作り方
① 小麦粉と白玉粉を混ぜ水を加えていき、耳たぶ程度の柔らかさになるまでこねます。
② ①を団子状に丸め、掌で4~5cm位の大きさになるように押しつぶしたら、沸騰したお鍋に入れて弱火で茹で、浮き上がってきたらザルに上げ水気を切ります。
③ こし餡がよく絡むよう混ぜ合わせて完成です。

シンプルな材料とレシピなので、誰でも失敗なく作れそうですよね。
こし餡でなく醤油や砂糖で食べる家庭もあるそうです。

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