B-1グランプリ優勝の千葉グルメ「勝浦タンタンメン」

寒くなると恋しくなっていた坦々麺ですが、最近では「汁無し坦々麺」もメジャーになり、暑い夏には汁無しを、寒くなったら坦々麺と1年中坦々麺を楽しめるようになっています。

花椒の香りが鼻腔をくすぐる坦々麺はピリ辛で、辛いものが男性より好きな傾向にある女性にも人気の麺ですよね。ラーメン自体はあまり好きではなくても担々麺は好んで食べるという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
家では作るにはちょっと敷居が高い(面倒とも?)ので、ラーメン店でなければ食べられないからといった要素も大きい気がします。

坦々麺は中国・四川省発祥の麺料理で、本来の姿は汁無し坦々麺に近いもの。
元々は天秤棒で担がれて売られている、ファストフード的な存在でした。
それゆえ汁が無く、こぼれにくい形態だったのでしょう。
味も醤油ベースに花椒とラー油を効かせていて、辛さも日本のものより強め。決定的な違いは芝麻醤を使用していないんです。
坦々麺と言えば、芝麻醤からくる胡麻の風味も美味しさに欠かせないものですが、これは日本の四川料理の父とも言うべき存在・陳建民氏が日本に坦々麺を紹介する際、日本向けにアレンジしたもの。
ちなみに豆板醤も本場ではあまり使用されません。
辛味を感じる赤い挽肉部分と、乳白色のゴマペースト部分の対比が坦々麺の特徴だと思っていたので、本場のものとは違う事実にはちょっと驚いてしまいますね。
また坦々麺によく見られる、彩の美しい青梗菜も日本オリジナルなんですよ!

 

勝浦名物の”タンタンメン”とは?

%e5%8b%9d%e6%b5%a6%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%a1%e3%83%b3%ef%bc%92
そんな坦々麺が名物となったのが、千葉県の勝浦市。
房総半島の南東、外房に位置し東京からは75km圏内。
関東圏の方なら前都知事でさらに有名になった「ホテル三日月」のCMでも目にする機会がありますよね。
勝浦はリアス式海岸の恵まれた漁場を持ち、漁獲高は銚子港に次いで千葉県内2位。
特に黒潮に乗ってやってくる、カツオの漁獲量の多さで知られています。

漁師町である勝浦で何故坦々麺が名物となったのか?
その理由もやはり漁にあり、漁師や海女さんが海仕事の後に冷えた体を温める料理として定着したのだとか。何だか妙に納得してしてしまう理由です。

 

勝浦タンタンメンの歴史

%e6%b1%9f%e3%81%96%e3%82%8f
勝浦タンタンメンの発祥は、1954年に大衆食堂の「江ざわ」だとされています。
当時の店主が坦々麺の存在を知りメニュー化しようと考えたものの、まだまだ戦後と言える時代。
芝麻醤が入手できませんでした。それでも諦めきれず、芝麻醤無しの坦々麺を作るべく奮闘した結果完成した坦々麺は、前述のように海女さんや漁師たちに評判となり、その後勝浦市内の中華料理店に急速に広まっていきました。
現在は焼肉店や喫茶店等でも提供されており、勝浦は街を挙げて坦々麺で勝負している気合が伝わってきます。
名称も坦々麺ではなく「勝浦タンタンメン」としている辺り、他との差別化も意識しているのではないでしょうか。

その努力?の成果もきちんと表れていて、2011年に開催されたB-1グランプリ全国大会では7位入賞!
この年には勝浦市内の店舗などにより「熱血!!勝浦タンタンメン船団」なる団体も設立し、その普及にも余念がありません。
2015年のB-1グランプリ全国大会ではついにゴールドグランプリを受賞し、その人気と知名度は全国区になってきた、といっても過言ではないでしょう。

 

勝浦タンタンメンの特徴!

前述のように、勝浦タンタンメンにはゴマや芝麻醤が入っていません。
基本となるのは醤油ベースのスープ。そこに麺と、具材のラー油や唐辛子を使用し炒めた豚ひき肉と玉ねぎをトッピング。
お店によってネギやニラ、にんにくが入ったり、味噌味ベースになったりとバリエーションは豊富ですが、芝麻醤が入っていない点は共通しています。

 

勝浦タンタンメンを食べられるお店

%e5%8b%9d%e6%b5%a6%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%a1%e3%83%b3%e8%88%b9%e5%9b%a3
勝浦タンタンメン船団の正式会員店だけで40店近くあるので、勝浦市内に行けば選ぶのに困るほど。
事前に下調べして、好みの味や辛さのお店を見つけるのも楽しそうです♪
勝浦までは遠い!という方は、東京都内で食べられるお店も数店存在しています。
ただ勝浦タンタンメンは商標登録されているのですが、船団が正式に認可している店舗は都内で2店舗と少ないのが現状。しかし中には評判の良いお店もあるので、食べてみて気に入ったら、是非勝浦に足を運んでみてくださいね。

-千葉グルメ
-, , , ,