【神奈川グルメ】横浜生まれの「家系ラーメン」
2016/10/24
ラーメンは、中華料理の一料理として食べられるようになったものの、今やすっかり日本独自の食べ物として日々進化を遂げています。
海外でも「RAMEN」として認知されていて、外国人観光客もラーメンを食べることを楽しみにしている人が多く、海外に出店するラーメン店も現地で人気を博しています。
そんなラーメンですが、「醤油・味噌・塩・とんこつ」といった種類を選ぶ時代は遥か昔の話。
今は細分化が著しく「魚介豚骨Wスープ」「無化調」といった単語や、ラーメンだけでなくつけ麺にまぜそばとその選択肢は増える一方。どのラーメンを食べるか迷ってしまいますよね。
神奈川の横浜で誕生した家系ラーメンも、もはや立派な「家系」というジャンルの1つ。
家系は二郎系と並んで”濃くてガッツり”なイメージがありますが、そもそも家系ラーメンの定義とはどういったものなのでしょうか?
一軒のラーメン店から始まった家系ラーメンの歴史
その前にまずは、家系ラーメンの歴史を紐解いてみましょう。
家系の始まりは1974年、横浜・新杉田に誕生した「吉村家」に発します。
店主の吉村氏が作るラーメンが産業道路に面した立地にマッチしており、周辺の工場労働者やトラック運転手の間で評判になりました。
その後吉村氏は本牧家を開店し、そこで修業した弟子達が、後に新横浜ラーメン博物館にも出店することになる六角家を開業するなど、家系は徐々に勢力を拡大していったのです。
1990年代になると前述のラーメン博物館も誕生し、ラーメンブームも相まって、六角家を筆頭に家系
ラーメンの認知度は全国規模になっていきます。
2013年以降は大手外食チェーンも家系ラーメン戦線に参入しはじめ、第2次ブームの到来と呼ばれるように。
現在では横浜市内だけでも、130~150軒の家系ラーメン店があると言われています。
この他にも日本全国に家系は進出しており、本家公認の店舗も存在するなど「ラーメン界の一大ジャンル」と言っても過言ではない存在として、多くの人に愛されています。
家系ラーメンの特徴
では続いて家系ラーメンの特徴に迫ってみましょう。
以下に主な特徴をまとめてみました。あなたの近所のラーメン店も、実は家系かも??
・屋号
多くは屋号に「家」がついている。
・味
独自の豚骨醤油ラーメンである。
・具材
海苔3枚・ほうれん草(小松菜の時も)・鶏油(チーユ)が3種の神器とされる。
・麺
太めのストレート麺で、もちもちとした食感。長さも短めで、濃いスープによく絡みつく。
直系店や吉村家で修業した店舗では、酒井製麺の麺を使用することが多い。
・カスタマイズ
麺の固さや油の量、味の濃さを選べることも特徴。自分好みのラーメンを作りあげる楽しみも。
この他にもライスを一緒に食べるのが定番、湯切りは浅目のザルで行う等も家系の特徴です。
家系ラーメンの系譜
また一口に家系ラーメンといっても、一筋縄ではいかない様々な系譜があります。
家系の総本山である吉村家から免許皆伝を受けた直系店、吉村家と変わらぬ歴史の長さを持つ歴史系と呼ばれる店といったように、大まかに5つ程の形態に分類されることが多いようです。
それぞれの有名店も併せて表記しているので、参考にしてくださいね。
①直系・・・吉村氏が認めた店舗。直系の店は酒井製麺の中でもオリジナルを使用しているのも特徴になっています。
杉田家、末廣家など。市外も含め約10店舗。
②歴史系・・・吉村家から派生し、家系の流れを作った家系の歴史を作ったと言われる店舗。
本牧家、六角家など5店舗。
③独立系・・・②の歴史系からの流れを汲む店舗で、寿々喜家は昨今特に評価が高くなっています。
寿々喜家、甲子家など。
④壱系・・・直系とは異なり、豚骨が前面に出たクリーミーなスープが大きな特徴。壱六家が最も代表的な店舗で、壱系には具材にウズラの卵が使用されるのも特徴的です。
壱六家、壱八家など。
⑤オリジナル系・・・上記に該当せず、家系で修業もしていないけれどオリジナルの家系を作りだしている店舗。
大桜、とん桜など。
家系の魅力とは?
いかにも「男飯」と呼びたくなる家系ですが、油や濃さの調節もできるので、敬遠している女性も一度は食べてみることをオススメします。
これだけ支持されているのは、やはり美味しいのは勿論、こだわりを持って切磋琢磨している店舗が多いのでしょう。オリジナル系、家系インスパイアを含めれば日本全国に数多くの家系ラーメンが存在しています。食べ歩いて自分好みの店を見つける楽しみは、尽きることが無さそうですね!