原宿竹下通り発の定番スイーツ「クレープ」
近年のパンケーキブームは、ハワイから上陸し原宿に開店したエッグスンシングスンから始まりました。その後もポップコーンやカップケーキと、原宿はスイーツの流行発信地の名を欲しいままにしています。
その先駆けとなったのがクレープではないでしょうか。
アラフォー世代なら「竹下通りでクレープを食べる」ことに、子ども時分に憧れを持ったのでは?
バースデーケーキも、まだまだバタークリームでデコレーションされているものが多かった時代。
チョコやフルーツ、そこに生クリームがトッピングされたクレープは想像するだけで幸せになる食べ物でした。
今回は原宿のクレープがいつ誕生し、どのように変遷していったのかを紹介していきますね。
フランス産のクレープを”原宿流”にアレンジ!
クレープの発祥はご存じのようにフランスですが、元々はそば粉のクレープとして日本でも人気のあるガレットが最初に誕生しました。
フランスのブルターニュ地方がその誕生の地で、当時は土地が痩せていて小麦粉の生育が難しかったのだとか。
そこで蕎麦粉を栽培し、それを焼きパンの代わりに食べるようになりました。
その後ルイ13世の妻がブルターニュを訪れた際にガレットを気にいり、小麦粉を使用したクレープも作られるようになったのです。
日本では1977年に原宿の「カフェクレープ」が、現在のようなクレープの販売を開始しました。
カフェクレープは現在も原宿に店舗がありますが、日本のクレープ誕生から40年ほど経過しているんですね!
カフェクレープの1号店は竹下通りにあり、開業当初はそれほど受け入れられなかったそう。
しばらくして雑誌で取り上げられることで人気に火が着き、行列が出来るようになったのです。
こちらも健在なマリオンクレープも、ほどなくして創業し竹下通りのクレープは行列と共にすっかり名物になっていきました。
ちなみに現在のように巻いて食べるクレープを初めて販売したのはマリオンクレープと言われています。
こちらは店舗型ではなく、1976年に渋谷で移動式のお店で登場しました。
原宿のクレープは当初から「チョコバナナ」「いちごホイップ」といったように、フルーツとクリーム系を生地に巻いたものが主流です。
実はこれ、フランスではなく原宿から生まれたもの。
フランスのクレープはシンプルにバターと砂糖をかけたものであったり(とても美味なんです)、フレンチのデザートとして名高い「クレープシュゼット(オレンジリキュールに浸し、火を付けでアルコールを飛ばす光景が有名ですよね)」、「ミルクレープ」として食べられることが多く、原宿のようなスタイルはオリジナルなんですよ。
食べ歩けるファストフードして、クレープにまるでガレットの具材のようにハムチーズやハンバーグを挟む食べ方も、かなり初期から見られたものです。
日本人はアレンジが上手な民族ですが、クレープに関してもフランスの原型を日本人好みに進化させた食べ物と言えるかもしれません。
昨今は海外からの観光客も増え、クレープは日本独自のスイーツとして楽しみにしている人も多いようです。
原宿のクレープのトレンドは?
1980年代頃のクレープブームの時期に比べれば、クレープ人気は落ちついたように感じられます。
それでも休日ともなれば、若い女の子たちがクレープ屋さんの前に並ぶ光景は今も昔のまま。
老舗のクレープ屋に加え数店舗が軒を並べ、パフェと見間違うかのような豪華な盛りのクレープを販売しています。
さらにキャラを描いてくれるお店や、お酒と共に楽しめる大人向けのクレープ店も出現!
PARLAのクレープは1000円もする高級クレープながら、具材にピスタチオトリュフまで用意されていて大人も楽しめる一品になっています。
また2016年、富山の人気クレープ店・コムクレープが原宿に出店しました。
クレームブリュレのクレープで大人気のお店だけあって、話題を呼んでいます。
カリカリお焦げの、キャラメライズされたブリュレとクレープの相性はバッチリ!
一度は食べてみたいですね。
変わらない美味しさとスイーツ欲を満たしてくれるクレープ。
今後も原宿のクレープは進化しながらも定番の人気スイーツとして、無くてはならない存在でい続けることでしょう。