「うまい、うますぎる!」で有名な埼玉銘菓 十万石まんじゅう
映画「のぼうの城」で脚光を浴びるようになった埼玉県行田市。
県北部に位置し全国的にはそれほど有名とは言えないのですが、万葉集では”さいたま”の地名の発祥の地として詠われた、由緒ある街でもあります。
近年はゼリーフライというおからのコロッケ、またフライと呼ばれるお好み焼きとクレープの中間のようなB級グルメで、市の知名度を上げるべく努力をしており少しずつその成果も表れているようです。
実は行田市には、もう1つ埼玉県土産としても重宝される名物グルメがあります。
それが十万石まんじゅうです。
ほとんどの方はご存知ないかもしれませんが、実はこの十万石まんじゅう、埼玉県民なら知らない人はいないほど有名なものなんです。
というのも、かの有名な(?)埼玉ローカルチャンネル、埼玉テレビで時折流れるCMがあまりにも印象的過ぎるからなんですね。
興味のある方はぜひYouTubeで「十万石まんじゅう」と検索してみて下さい。
もちろんCMが個性的というだけでなく、グルメとしての魅力も超一流です!
十万石まんじゅうの誕生
名前の響きから江戸時代からありそうに感じますが、十万石まんじゅうが生まれたのは戦後のこと。
1952年に製造メーカーである十万石ふくさや(当時は福茶屋)が行田市に創業し、それと同時に十万石まんじゅうも誕生しました。
十万石という名前の由来は、行田市にあった忍藩の石高が10万石であったことからきており、行田の名物にしたいという願いも込められたのだとか。
また十万石まんじゅうには、くだんのCMでも使用されているキャッチフレーズがあります。
「うまい、うますぎる」
このシンプルなコピーの由来は、パッケージデザインを手がけた版画家・棟方志功氏にあります。
当時、棟方氏が行田市によく足を運んでいたことを聞きつけた店主が、パッケージデザインを依頼する際にまんじゅうを持参したところ、甘党の棟方氏は一気に5つを平らげ、6個目に手を伸ばしながら上記のフレーズを呟いたそう。
「行田名物にしておくにはうますぎる」とも言っていたようです。
現在は立派な埼玉銘菓になっているので、棟方氏の舌も確かだったのかもしれませんね。
ちなみに棟方氏が手掛けたパッケージには、姫君が喜々としてまんじゅうに食らいついている姿が描かれています。これは「忍城のお姫様が生きていればきっと同じことを言ったに違いない」という発想から生まれているんですよ。
十万石まんじゅうとは?
十万石まんじゅうの見た目は俵型の真っ白なもので、「十万石」の焼き印が入ったもの。
薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)の一種で、小麦粉よりも米を多く使った皮につくね芋が入っていて、風味も良くもちもちして美味しいんです。
大きさは小ぶりながら、薄い皮の中にはこし餡がたっぷり!上品な甘さなので、棟方氏のように複数食べてしまう気持ちもよく分かります。
原材料も全国の選りすぐりの素材を用いていて、例えば小豆は北海道十勝産・米は魚沼産コシヒカリ・つくね芋は奈良の葛城山産と最高級のものばかり。
埼玉県産のものは残念ながらありませんが、そのこだわりが埼玉を代表する饅頭となった理由でしょう。
食品添加物を使用していないので、賞味期限は5~6日と短めです。
十万石まんじゅうを購入するには?
十万石ふくさやは埼玉・群馬県内に40店舗あり、そちらで購入が可能です。
また埼玉県内のデパートや県内の物産を扱うお店に置いてあることも。
県外のデパートでも全国の名産を販売しているコーナーが増えたので、チェックすると販売している可能性もありますね。
またホームページからネットで購入することも出来ます。
東京都内では新宿と日本橋のナチュラルローソン2店で、埼玉名産コーナーの1品として常時販売しています。近くに寄った際に立ち寄ってみて下さいね。